Fox forkのO/H

Fox forkのオーバーホールをしたので,作業に関する備忘録をまとめました。
CTD以前の32㎜インナーのFITダンパーモデルなら内容は概ね一致するかと思います。

まずは取り外しの工程です。
















作業前にやるべきこと
※TALASは分解前に最短ストロークの状態にしておく(画像はノーマル状態)
※リバウンドは全開放(マイナス側)


画像 左側がFITダンパー,右側がTALAS(TALASは分解不可)




画像 FITダンパーのロックアウトノブとダイヤル


1.黒ダイアルを指やタイヤレバーなどで固定して皿ネジを外す。(工具2mmヘキサ)


画像 ロックアウトレバーを固定する芋ネジ3つの配置



2.芋ネジ3つを均等に緩めてロックアウトレバーとコンプレッションダイアル取り外す。※芋ネジは緩めるだけで外さない (工具1.5mmヘキサ)

画像 ロックアウトレバーとコンプレッションダイアルを取り外した状態


3.ロックアウトレバーの下にある小さなベアリングとスプリングを紛失しないように取り外す。これは後の作業でフォークを倒立させたりするので重要なポイントです。

画像 取り外したダイヤルとロックアウトレバー,下のベアリングとスプリング



5.リバウンドノブを取り外す (工具2mmヘキサ)
画像 リバウンドノブを取り外した状態


6.FITダンパートップキャップを綺麗に掃除する。
7.FITダンパートップキャップを軽く緩める。 (使用工具 26mmソケット)

トップキャップの工具がかかる部分は浅くて強度も期待できないため,モンキー等の使用は避けてソケットを使用することが無難だと思われます。ただし,26㎜ソケットはあまり使われないサイズなのでホームセンター等では入手が難しいかもしれません。予め,通販などで確保しておくことをオススメします。今回は近所のアストロでは販売してなかったため,業者御用達の工具ショップにて調達しました。Koken製1/2”サイズ 535円(2018年4月16日現在)


8.ボトムナットを取り外し、クラッシュワッシャーを取り去る。 (使用工具10mmソケット)
9.ボトムネジ付近の清掃
画像 ナットを取り除いたボトム部



10.ボトムナットを戻して4-5山程度ネジに噛ませる。
11.ボトムナットに10mmソケットを当ててプラハン等で軽く叩く。


画像 ハンマーでたたいて固着を解く



この時,強く叩きすぎないことに注意する。また,リバウンドのロッドを打撃してしまわないように十分なクリアランスのあるソケットを使用する。
インナーとアウターの間にあるインナー潤滑用のオイルが30㏄程度漏れ出てくるのでオイルキャッチ用の皿などを準備しておく。


12.トップキャップを緩めてFITダンパーを抜き取る。

アウターケースとインナーを分離させる場合はTALAS側のボトムも同様に8~11の工程で外すことが出来ます。


画像 アウターケースとインナーを分離した様子
画像 FITダンパーを分離した様子


これで取り外し作業は完了です。下に締め付けトルクの表をつけました。
固着の有無等を判断する際に参考になるかと思います。


締め付けトルク一覧
part description
torque values
in-lb
Nm
topcaps
220
24.86
preload/rebound knob screws
11
1.23
topcap to damper shaft insert
75
8.41
rebound adjustment insert screw
3
0.34
rebound piston bolt
50
5.60
base valve bolt
75
8.41
base valve assembly to cartridge tube
55
6.16
cartridge tube to seal head
55
6.16
bottom nuts
50
5.60
brake posts
80
8.97
disc brake hose guide M3 screw
8
0.90
air tank valve
40
4.52
valve core
4
0.45
rebound knob
4
0.45
Protune knob (X models only)
4
0.45




参考にしたWebサイト

マムアンドポップス
Bike-manual.com


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